2009年、プリキュアで水着NGを決定づける出来事が起こります。
東映アニメーションのプロデューサーが鷲尾氏から梅澤淳稔氏に代わった「フレッシュプリキュア!」は、さまざまな新しいことにチャレンジした意欲作でした。
その1つとして第2話で蒼乃未希(キュアベリー)のシャワーシーン(足だけが映るもの)や、競泳水着姿に男子生徒が見とれるシーンが放送されます。
特段セクシーな描写というわけではなかったのですが、それが子どもと一緒に見ていた親御さんの大きな不評を買うこととなります。
梅澤Pは当時の様子を「大ブーイング」だったと語っています。
ぴあMOOK『プリキュアぴあ』2011年 P87より ――「フレッシュプリキュア!」では前半に水着やシャワーシーンもありましたね。
梅澤 実は大ブーイングでした。「コクる」「彼氏」というセリフも評判が悪かったです。中学生だから、必然性があるから、大丈夫というわけじゃない。
両親が観せたくない作品になっては『プリキュア』じゃない、と痛感しました。
梅澤Pはプリキュアが「両親が観せたくない作品になってはダメ」と痛感し、以降それがプリキュアの水着NGをさらに強固なものとするきっかけとなってしまいます。
プリキュアシリーズが始まってからの10年間、海の見える別荘に行ったり、砂浜で特訓したりと海に行くシチュエーションが数多く描かれるのですが、
プリキュアたちは「不自然に」水着になりません。普段着で遊びます。
「ハートキャッチプリキュア!」のシリーズディレクターである長峯達也氏は、海なのに水着姿にならないのは不自然なので同作で水着を出す予定だったとしながらも、やはり「自分の娘の肌をさらすことはできない」という理由でコンテの段階で水着をやめたことをTwitterで語っています。
「スマイルプリキュア!」のシリーズディレクターである大塚隆史氏も、同作で水着回を行う予定だったものの中止となったこと、さらにプリキュアにおいて「性的な商品」が出るようであれば、即SDを降りるとも発言しています。
これらのように「プリキュアの水着」は話が持ち上がるものの立ち消えることが続きます。
「水着がダメ」なのではなくて「大人に性的に見られてしまうことがダメ」なはずだったのが、いつしか目的と手段が入れ替わり「水着表現がダメ」となっていったのです。
またテレビ本編においても、周囲の女子や敵女性幹部などは水着が描写されていたので、あくまでテレビ本編で「プリキュア」が水着を着ることがNGだったようです。
また「水着がNG」なだけであり、露出が高い服はNGではなく、例えば「ハピネスチャージプリキュア!」の変身解除状態などは水着よりも露出の高いセクシーな姿であるなど、やや本末転倒な部分も見られるようになってきました。
ただ、それも時代の変化に合わせて変わっていきます。女性が「水着」を着ることは別に性的なことではないし、かわいい水着を着ることは女児のあこがれの1つである、と水着表現に立ち向かったのが2015年「Go!プリンセスプリキュア」です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0371eca2462abd3a034b828d3cf8483976fe2778
http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1593520386/l50
蒼乃美希の競泳水着はセクシーなサービスだが、ホッシーワのビキニは誰得なブラクラでしかない。
マジョリーナ(老婆状態)と同レベルの色物女性悪役のホッシーワで精神的ダメージを喰らったプリキュアファンは海藤みなみと天ノ川きららの水着で癒された。